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宇都宮地方裁判所 昭和49年(わ)253号 判決 1975年3月31日

本店の所在地

黒磯市東栄二丁目六番一〇号

株式会社池田建設

(右代表取締役池田幸雄)

本籍

同市東栄二丁目三八番地

住居

右同所六番一〇号

会社役員

池田幸雄

昭和一三年一一月五日生

各法人税法違反被告事件

主文

被告会社株式会社池田建設を罰金八六〇万円に、被告人池田幸雄を懲役六月に各処する。

被告人池田幸雄に対し、この裁判確定の日から三年間右の刑の執行を猶予する。

訴訟費用は被告人池田幸雄の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社株式会社池田建設は、黒磯市東栄二丁目六番一〇号に本店を設け、土木建築工業の請負を目的とする法人、被告人池田幸雄は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人池田において、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空の外注費、賃金などを計上し、仮名の定期預金を設定蓄積するなどの不正な方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和四五年一〇月一日から昭和四六年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額は一、九六七万八、七七七円で、これに対する法人税額は六八六万五、九〇〇円であつたのに、昭和四六年一一月三〇日大田原市紫塚二、六八四番地の四〇所在大田原税務署において、同署長に対し、所得金額が三六二万一、〇六〇円でこれに対する法人税額は九六万四、九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて右不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税額との差額五九〇万一、〇〇〇円を法定の納期限までに納付せず、もつて同額の法人税をほ脱し

第二  昭和四六年一〇月一日から昭和四七年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額は五、五二四万三、二七〇円で、これに対する法人税額は一、九四二万五〇〇円であるのに、昭和四七年一一月三〇日前記大田原税務署において、同署長に対し、所得金額が二、七〇四万二、五七七円でこれに対する法人税額は九〇三万五、六〇〇円である旨の虚偽の法人確定申告書を提出し、もつて右不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税額との差額一、〇三八万四、九〇〇円を法定の納期限までに納付せず、もつて同額の法人税をほ脱し

第三  昭和四七年一〇月一日から昭和四八年九月三〇日までの事業年度における被告会社の所得金額は一億四、二六二万七、九五三円で、これに対する法人税額は五、一二五万五〇〇円であるのに、昭和四八年一一月三〇日前記大田原税務署において、同署長に対し、所得金額が七、九七二万三、八〇九円でこれに対する法人税額は二、八一三万七、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて右不正の行為により被告会社の右事業年度の正規の法人税額との差額二、三一一万三、二〇〇円を法定の納期限までに納付せず、もつて同額の法人税をほ脱し

たものである。(各年度の所得額及び税額の算定は別紙(一)ないし(六)のとおり)

(証拠の標目)

一  被告人の当公判廷での供述及び各上申書並びに各答申書

一  被告人の検察官に対する各供述調書及び被告人に対する大蔵事務官の各質問てん末書

一  登記簿謄本

一  会計検査院事務総長作成の「法人税確定申告書原本の提出証明」と題する書面

一  大田原税務署長作成の各証明書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書三通及び調査所得の説明書三通

一  西岡聡、人見繁美、野本勝吉、栗城貫、稲垣雄一の検察官に対する各供述調書

一  広木正枝、岡本金彌、辻周夫、菊田保次郎、安斉修、真壁孝平、阿久津一男、金沢邦彦、待井弘、稲垣秀雄の各答申書

一  今西俊夫、真壁孝平、阿久津省三の各供述書

一  西岡聡、広木正枝、守谷栄亮、野本勝吉、栗城貫、金沢あや子、守井弘、原田宏通、斉藤孝雄、稲垣雄一に対する大蔵事務官の各質問てん末書

一  大蔵事務官作成の調査書三通

(法令の適用)

判示各所為につき

法人税法一五九条、被告会社については更に同法一六四条一項(被告人につき各懲役刑選択)

併合罪の加重

(一)  被告人につき刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示三の罪の刑に法定の加重)

(二)  被告会社につき刑法四五条前段、四八条二項

刑の執行猶予

被告人につき刑法二五条一項

訴訟費用の負担

刑事訴訟法一八一条一項本文

検察官小林庄市出席

(裁判官 大関隆夫)

別紙(一)

修正貸借対照表

昭和46年9月30日現在

注 当期増減金額欄中上段の金額は犯則金額

別紙(二)

修正貸借対照表

昭和47年9月30日現在

注 当期増減金額欄中上段の金額は犯則金額

別紙(三)

修正貸借対照表

昭和48年9月30日現在

注 当期増減金額欄中上段の金額は犯則金額

別紙(四)

脱税額計算書

自 昭和45年10月1日

至 昭和46年9月30日

税額の計算

別紙(五)

脱税額計算書

自 昭和46年10月1日

至 昭和47年9月30日

税額の計算

別紙(六)

脱税額計算書

自 昭和47年10月1日

至 昭和48年9月30日

税額の計算

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